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2023.05.23

第14次労働災害防止計画が始まっています

「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画です。
 厚生労働省は、中小事業者なども含め、事業場の規模、雇用形態や年齢等によらず、どのような働き方においても、労働者の安全と健康が確保されていることを前提として、多様な形態で働く一人ひとりが潜在力を十分に発揮できる社会を実現に向け、国、事業者、労働者等の関係者が重点的に取り組むべき事項を定めた 2023年 4 月~ 2028年 3 月までの 5 年間を計画期間とする「第 14 次労働災害防止計画」を2023年3月8日に策定し、3月27日に公示されました。

メンタルヘルスに関する計画としては以下の内容が掲げられています。

メンタルヘルス対策

(ア)労働者の協力を得て、事業者が取り組むこと

・ストレスチェックの実施のみにとどまらず、ストレスチェック結果をもとに集団分析を行い、その集団分析を活用した職場環境の改善まで行うことで、メンタルヘルス不調の予防を強化する。

・事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)に基づく取組をはじめ、職場におけるハラスメント防止対策に取り組む。

(イ)(ア)の達成に向けて国等が取り組むこと

・産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターを通じて、小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の取組を引き続き支援する。

・事業協同組合、商工会、商工会議所等が、会員等にメンタルヘルス対策を含む産業保健に係るサービスを提供した場合における国による支援の仕組みを整備する。

・ストレスチェックや集団分析の実施を促進するため、ストレスチェックの受検、集団分析等ができるプログラムを事業者に提供するとともに、その活用に向けて周知を図る。

・集団分析、職場環境改善の実施及び小規模事業場におけるストレスチェックの実施を促進するための方策を検討し、取り組む。

・健康経営の視点を含めたメンタルヘルス対策に取り組む意義やメリット(欠勤、プレゼンティーズム、経営損失の防止等)を見える化し、経営層に対する意識啓発の強化を図る。 ・小規模事業場を中心とした好事例の周知啓発を図る。 ・職場におけるハラスメント防止対策の取組の周知及び対策の徹底を図る。

また今回の労働災害防止計画ではアウトプット指標とアウトカム指標も以下のように設定されています。

アウトプット指標として...

(オ)労働者の健康確保対策の推進 ・年次有給休暇の取得率を2025年までに70%以上とする。 ・勤務間インターバル制度を導入している企業の割合を2025年までに15%以上とする。 ・メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を2027年までに80%以上とする。 ・使用する労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年までに50%以上とする。 ・各事業場において必要な産業保健サービスを提供している事業場の割合を2027年までに80%以上とする。

アウトカム指標として...

(オ)労働者の健康確保対策の推進 ・週労働時間40時間以上である雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を2025年までに5%以下とする。 ・自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み又はストレスがあるとする労働者の割合を2027年までに50%未満とする。

今までの労働災害防止計画はいわゆる目標を立てて活動を行うだけであったスタイルから、「それぞれのアウトプット指標について、労働災害防止計画に基づく実施事項がどの程度アウトプット指標の達成に寄与しているのか、また、アウトプット指標として定める事業者の取組がどの程度アウトカム指標の達成に寄与しているか等の評価も行うこととする。」 とされ、それぞれの取り組みに対する評価が実施される事になりました。

詳しくは厚生労働省WEBサイトをご覧ください。